銅版画のこと

PUKUのバッグの一番の特徴はバッグに『シルクに刷った銅版画』が縫い付けてあること。
こちらではその『銅版画』のことをご説明しますね。
 

銅版画って?

銅版画ってご存知ですか?

版画というと木版画がポピュラーですよね。私も学校の授業で習いました。
木版画は「木」を彫刻刀で掘って木の残ってる部分(凸してるところ)にインクを乗せて上に紙を置いて刷ります。

銅版画は「銅板」を凹ませてその凹みの部分にインクを詰めて、強い圧をプレス機で刷ります。
凹ませるには版を酸性の強い液体に入れて銅を溶かしたり、直接けずったりしします。



こちらは数年前に会員だった工房の大きなプレス機。



今は自宅アトリエの小さなプレス機を使っています。

PUKUのバッグにはその「銅版画」を紙ではなくてシルクに刷って、それを加工したモチーフが縫い付けてあります。

銅版画の発祥は中世ヨーロッパ。活版などの印刷技術の元祖のような技法です。
古い版画の技法なので、版を作るのもインクを詰めてプレス機で刷るのも、ものすごく時間がかかります。
それでも銅版画は他の技法では出せない味わいのある線やトーンが出せるので、私はこだわって制作しています。

これから、その銅版画の制作過程を簡単に説明しますね。
ご説明するのは銅版画の数ある技法の中でも代表的な『エッチング』です。

 

銅版を作る

まずは銅板を用意します。



こんな感じのツルツルした状態にします。よく見るとわかるのですが、角を落としてヘリを斜めにしています。
この銅版に「グランド」という防腐食剤を塗ります。私はそのグランドを煤で真っ黒に燻してからスタートします。



グランドを黒く燻した版に針のように尖ったニードルで線を描いています。
描けたらこの細い線の部分を腐蝕液(塩化第二鉄)の中に入れて腐蝕をさせます。
描いたら腐蝕液に入れて、もう腐蝕させたくない部分を黒ニスなどで止めてを繰り返します。
私は細い線は短くて10分ぐらい、太い線は合計で4時間ぐらい入れています。



グランドを剥がしたところ。茶色いラインは腐蝕して線が凹んでいます。

私は『アクアチント』(松ヤニの粉を定着させて腐蝕して、中間のトーンと作る)も使います。
他に『ソフトグランドエッチング』(ネバネバした防腐蝕剤を使って鉛筆のような線を描く)などいくつかの技法を併用して版を作ります。

 

版にインクを詰めて刷る

 版が完成したら次は刷ります。私の刷りは『一版多色刷り』です。



こんな感じで銅版画インクをパレットに出します。チューブのままの色は使わずに、何色か混ぜて色を作っています。



銅版画は凹んだ線にインクを詰めるので、まずは版全体に色を乗せます。
それから薄い紙をインクを乗せた版に乗せて、あらかたインクを取り除きます。



さらにインクを落としていきます。これで線の中にインクが詰まりました。



それからプレス機で刷ります。プレートに版を置き、濡らしたシルクを被せてフェルトをかけます。
その後圧力をかけてハンドルでローラーを回します。フェルトとシルクをめくったら刷り上がりです。



私はあらかじめ紅茶染したシルクに刷っています。レトロな雰囲気が出ます。
版画は描いたものが反転されます。

お次は銅版画モチーフに加工します。
 

モチーフに加工してバッグを作る

 まずはこんな風に銅版画を1点ずつモチーフにします。



モチーフの周囲にはレースを仮止めしています。



それからカットして芯を貼った生地の所定位置に仮止めしてからミシンで縫い付けます。



レースの上にビーズなどを手縫いします。こちらはビーズ刺繍しています。



その後バッグに仕立てて完成です!
 

なんで銅版画なの?

いかがでしたか?

説明がわかりにくかったと思いますが、版を作るのも刷るのも、とても長い行程なんです。
びっくりされるのですが、刷るときは一回インクを詰めたら一枚しか刷れません。

「こんなに大変なのになんで銅版画なの?」と思われるかもしれません。

それは「好きだから」なのかな。
時間をかけて作ることが好きなんです。

やたらと手間がかかる作る工程も好きだし。
銅版画の線も、マチエールも、手の温もりが残る刷り上がりも、みんなみんな大好きなんです。

「時代遅れ」の版画の技法なのかもしれませんが、かえって新しいのかなあ、なんて思っています。
 

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